蕨市立病院に聞き取り調査行う
10月3日、日本共産党蕨市議団は梅村さえこ衆院北関東比例候補と一緒に蕨市立病院に対して聞き取り調査を行いました。
この聞き取り調査は、前月の9月26日に厚生労働省が再編・統合の検討が必要な全国の公立・公的病院の実名を公表し、県内7の病院が名を連ねた中に蕨市立病院が入っていたことが理由です。
がんや救急など地域に不可欠な医療の医療実績が少ない病院が主な対象で、県などは各病院と今後の方針について協議するというものです。
7つの病院は、蕨市立病院(本市)、さいたま北部医療センター(さいたま市)、北里大学メディカルセンター(北本市)、東松山市立病院(東松山市)、東松山医師会病院(同)、所沢市市民医療センター(所沢市)東埼玉病院(蓮田市)。
報道によると、県は地域医療のあり方について検討する地域医療構想調整会議で、この7病院に今後の方針について説明してもらう予定だということです。県保健医療政策課の担当者は「地域特性を考慮せずに一律の基準で評価しているのは事実」と述べ、「ただちに再編や統合というわけではなく地域での役割分担や医療機能を見直すきっかけにしたい」と話しました。
蕨市は、本年3月に「蕨市立病院将来構想」~地域住民に愛される病院を目指して~を策定しました。
地域の中核病院、救急病院、そして市内で唯一の分娩できる病院として、その役割をますます求められていること。そして、国が進める医療提供体制の再調整や地域包括ケアシステムの構築の流れの中で、埼玉県地域医療構想を踏まえ、市立病院のあるべき姿と役割、また、建物の耐震化、老朽化対策についての方向性を示したところです。
現在の130床の急性期病床を維持し、急性期医療を担っていくなど地域住民に愛される公立病院を目指し、病院長はじめ、職員やスタッフなど一丸になって市立病院の健全経営に取り組んでいるところでした。
今日の聞き取りのなかで病院事務局長と担当者は「患者からも心配する声が出ている。現場のモチベーションに影響しないか不安だ」と語り、また、市内で唯一分娩ができる病院ということに加え、高度医療が可能な近隣病院との連携など地域医療を支える役割を果たしていることを紹介し「地域の実情を全く考慮していない不安だけあおる公表だ」と述べました。
梅村氏は、「地域医療構想」による病床削減が思うように進まないからとインパクトを狙って公表したとしか思えないと指摘し「公立病院は誰しもが安心して医療にかかれるという役割がある。本来なら国と自治体の責任で充実させるもの。公立病院の統廃合はすべきではない」と話しました。
蕨市立病院は、現在 統廃合の案は出ておらず、引き続き地域医療に力を尽くす意向です。