3000万人署名 ー 気持ちを名前にして
「わたしは中学生の息子がいます。憲法に自衛隊を書き込むと、人殺しをしてもいい決まりが世の中にできてしまう。子どもが生きる社会をこういう世の中にしないために、ぜひ 名前を書いてほしい」
署名用紙を手に、今日は中央地域でこの訴えを 一軒 一軒にしてきました。
記名率は約9割
↑中央第2支部の支部員さんと訪問活動。地域、憲法9条まもろう 3000万人署名ポスターの前で
安倍首相は北朝鮮や貿易などの問題でトランプ米大統領と会談のため訪米の中、国内ではどの世論調査も内閣支持率が急落、安倍政権への不信が高まっています。
森友学園への国有地格安払い下げや公文書の改ざん、加計学園の獣医学部新設での新事実、自衛隊の「日報」隠ぺいなど、「底なし」で疑惑が出ているのに、安倍内閣が解明を尽くさないためです。
信用できない
新聞や通信社、テレビの最新の世論調査で、内閣支持率は31%(「朝日」)や37%(「共同」)に急落、中には20%台を記録した調査もあり、52%(「朝日」)、52・6%(「共同」)と半数を超えた不支持率との差は広がる一方です。特徴的なのは安倍首相が信用できるかとの問いに、「あまり」と「まったく」を合わせて「信用できない」が66%(「朝日」)、「加計」問題をめぐる首相の説明に「納得できない」が79・4%(「共同」)など、首相の姿勢そのものに国民の批判が集まっていることです。
国有地を格安で払い下げ、国会などに改ざんした公文書を提出した「森友」も、首相の友人のために政治をゆがめ獣医学部開設を推進したとされる「加計」も、自衛隊がイラク派兵などの「日報」を隠し、文民統制を踏みにじったのも、いずれも国民主権と民主主義の破壊です。
隠蔽問題の首相の責任は重大です。
防衛省は、1年以上にわたり「ない」としてきた陸上自衛隊イラク派兵部隊の日報を公表しました。
自衛隊のイラク派兵は「非戦闘地域」での活動が建前でしたが、日報はサマワの治安情勢を「戦闘が拡大」と記述(2006年1月)するなど、現地の自衛隊員が「殺し、殺される」危険にさらされていた実態を改めて浮き彫りにしています。
一方、サマワの陸自宿営地とその周辺への迫撃砲などによる攻撃が多発した04年4月~05年1月の日報はわずか2日分しかありません。安倍晋三政権はイラク派兵の実態とともに隠蔽の全貌を明らかにすべきです。
「非戦闘地域」の虚構明白
今回公表された日報は、多くの欠落や黒塗りがあり、04年〜06年まで陸自が派兵されたサマワが「非戦闘地域」だという政府の説明が虚構だったことを示しています。
〈05年6月23日〉陸自車列(4両)が走行中、3両目(高機動車)の右前方付近で爆発。3両目のフロントガラス(二重ガラスの外側)にひびが入り、車体に無数のキズ、右ドアノブ付近がへこむ被害。3、4号車(軽装甲機動車)は土煙で視界を数秒間遮られる。4号車からは3号車が見えないほどの土煙が上がる。
〈同年7月4日〉陸自のサマワ宿営地付近にロケット弾が着弾。「連続発生の可能性は否定できず」とのコメント。
〈06年1月22日〉英国軍に対して小火器射撃、爆発があり、イラク警察との共同パトロールを実施。小火器射撃を受けて応射(死亡2人、負傷5人)。サドル派事務所付近に英国軍車両が停車し、周囲をパトロールし始めたことに反感を持ったサドル派民兵が射撃し始めたことに端を発して、戦闘が拡大。タクシードライバーが死亡。英国軍に誤射されたもよう。
今回公表分だけでも、イラク・サマワに派兵されていた陸自部隊が絶えず攻撃の脅威や戦闘の危険に直面していたことは明白です。
一方で、約2年8カ月にわたる派兵期間中にサマワの陸自宿営地とその周辺への迫撃砲やロケット弾などによる攻撃は14回発生していますが、そのうち9回が集中した04年4月~05年1月の日報は2日分しか公表されていません。
08年4月の名古屋高裁判決がイラクの首都バグダッドへの武装米兵の輸送を憲法違反とした空自の活動に関する日報も今回開示されていません(今月6日に3日分・3枚だけ公表)。意図的な隠蔽を疑わせるものであり、その姿勢が根本から問われます。
加えて看過できないのは、陸自イラク派兵の日報がなぜ1年以上隠蔽されていたのか、いまだ解明されていないことです。陸自内でイラク派兵の日報が見つかったのは昨年3月27日です。当時、防衛省・自衛隊は南スーダンPKO(国連平和維持活動)の日報が陸自内にあったことを隠していました。そのため、イラク派兵の日報も隠そうとしたのではないか。
自衛隊の最高指揮官である安倍首相は陸自による南スーダンPKOとイラク派兵の日報隠蔽を本当に知らなかったのか。知らなかったとすれば最高指揮官としての資格はないことになり、知っていれば隠蔽の共犯者となります。全容解明と責任の明確化が必要です。
全容の解明は待ったなしです。
市民の怒りの気持ちが広がっています。