スイッチどこですか? 子育ては大人育ち
「おれ今日図書館行ってくる」
「宿題やるね」
「昼ごはん一緒に作るよ」
息子よ、あなた いったいどうしたのですか?
初めて聞くセリフばかりですが。。
子育てに悪戦苦闘する毎日。特に息子。
問題行動のため 昨日も午前中 中学校へ行き、先生と三者面談をして話をしてきた。
昨夜 ある番組を見ていた。
「あ〜 あんた将来こうなるな」と心の声が思わず口にでた。
その後、就寝前 なぜか、「こないだ読んでくれた本をまた読んでくれ」と言い出した。本を読んでくれなんてこれまた初めてだ。(小さいころは毎日 絵本を読んでやったが。)
読んでくれというその本の題名は
「子どもの貧困が日本を滅ぼす」
自分で読むと言って音読をはじめた。
なんだ なんだ どうしたんだ!?
と思いつつ わたしも 『ケース3・田中さん・男性22歳の場合』の部分を読んでやった。
父親から暴力を受けて育ち 高校生になったら 窃盗等して少年院へ。でもそこで担任の先生という、きちんと話を聞いてくれる大人と出会い、厚生していく話しだ。今は彼女もいてまじめに働いている。
そして 息子はこんなことをわたしに質問してきた。
「人って 特別な人生があるのか? こんな風に暮らしてオレは幸せなのか?特別なのか?」と聞いてくるので、人間の生まれの不思議について意見交換をかわした。
「どんな子どもも暴力をふるう親のもとに生まてきたくて 生まれているわけじゃない、“運”だ。だから今ある自分の人生を毎日感謝しながら生きることが大切だ」
と、そんな話を30分くらいした。
ちなみに 昨夜見た番組は、警察の仕事に密着するもので、40代男性がホームレス生活に転落し、その生活が映し出されていたのだ。その人も親をうまくいかず家出をしてしまっていた。そしてわたしからの「あ〜 あんた将来こうなるな」のつぶやき。
これが効いたらしい。
今まで努力を促す言葉を何回言っても 自分で努力しようとしなかった。
むしろ「おれはできなくても いつも誰かが助けてくれるからいいんだよ」とクソむかつく言葉を吐いていた。
何もできなくても生きていける、努力しなくても誰かが助けてくれる これは間違いだということにやっと気づいた。
あんなに今まで言っていたのに、全くきかず 2〜3分 テレビでホーレスを見て その姿に将来自分がなるかもしれない可能性に衝撃をうけた。
自分のやれることはちゃんとやろうとスイッチが入った。
子どもとは、どこでスイッチが入るかわからない、摩訶不思議な生きものである。
そして「子育てとは親育ち」。
今まであんなに言ってたのに全くきかない息子。子どもの貧困の本に興味を持ったのでわかりやすく説明しようと あたまをひねる。自分が理解していないと説明できないから丁寧に本と向き合う。
毎日毎日 子育てをすることのエネルギー。
人の人生に責任を持つということは大変な苦労だが、思考力、忍耐力、集中力、許容力、包容力、決断力、体力・・・など さまざまな “力” が身につく『大人育ち』
子どもを育てることで大人も成長する、そんなことを改めて実感した、そんなエピソード。
息子と二人で味付けをした明太子和風パスタはうまかった♪!