道徳の教科化について考える
文部科学省は小中学校の「道徳」を「特別の教科」とする学習指導要領の改定を行い、小学校では2018年度、中学校では19年度から実施されます。道徳の教科化は、これまではなかった検定教科書を使用して道徳を教え、かつ、これまで行ったことがなかった一人ひとりの子どもの心や道徳を評価するもので、問題は、憲法で保障された内心の自由です。
思想良心の自由を踏みにじり、国が「道徳」という形で、本来政治とは一線を画すべき教育に介入してくるという危険な状況だというところです。教科書についていえば、その記述内容には「国旗・国歌」が他社と比べて異常に大きく扱われているものがあったり、また君が代斉唱時の起立・礼まで指示しているものもあり、従来とは次元の違う形で子どもに「官製道徳」を押し付けるものです。全国紙・地方紙の多くも「皇民化教育を担った戦前の『修身』を思い起こさざるを得ない」(神奈川新聞)などと懸念を示しています。
私は、憲法の理念に沿った市民道徳をはぐくむ教育を進めることが大切だと考えます。
子どもたちがおしつけられ、型にはめられる教育にならないために今後一層注意して見ていくことが、最も重要な課題と言えるでしょう。
蕨市では、8月16日に行われた教育委員会において、2018年度・平成30年度使用、小学校用の教科書に「小学校道徳 豊かな心」光文書院が採択され、第4採択地区(蕨・戸田)でも同教科書を使用することと決まりました。私も小学生と中学生の子どもを持つ親として関心を持ち、蕨市の教育委員会を傍聴するなど、市内外の動きに注目してきました。常に「子ども一人ひとりの幸せ」この願いを持って今後も活動をしていきたいと思います。